光の角度によって様々な表情を見せる唯一無二の窯変を誕生させるのが、鉄分を主とする釉薬の一種「天目釉」です。この天目釉と呼ばれる鉄釉は、奥が深く人知を超えた燿変現象を生み出します。燿変天目の第一人者と言われる鎌田幸二氏は四十年来研究に研究を重ね挑戦し続け、
コントロールの難しい炎と土と釉薬の折りだす領域を、粘り強く、緻密に研究することにより、独自の天目を作り出すことに成功したのです。
「どれだけ計算しつくしても、全く同じものは出来ない。それはやればやるほど魅力のある仕事であり、底知れない可能性を秘めている。」と鎌田氏は語ります。作品1点1点に作家の世界感がしっかりと広がっている「鎌田天目」。炎と土と釉薬の結晶は千変万化の姿を示してくれます。