特集

Feature Articles

西川勝・藤平寧 二人展

Exhibition of M.NISHIKAWA & Y.FUJIHIRA

―土の温もり 造形と釉調の共演―
◎場所:京・茶わん坂 東五六
◎日程:2016年11月14日(月)~12月6日(火)

インタビュー


Interview

今陶展はユニークな造形作品で独自の世界を進化させてこられた西川勝氏と柔和で素朴な中にハイセンスな味わいが伝わってくる藤平寧氏の新作の数々を催させていただきます。
開催を前にお二人の工房を訪問し、お話をお伺いしました。

西川勝インタビュー

千本鳥居で有名な伏見のお稲荷さんからほど近い、住宅街を抜けた竹林の中に西川勝先生の工房があります。
野鳥が運んだ種子から出来た山椒の木やお茶の木、見たことのないくらい巨大な栗の木、生物がありのまま造る自然の世界を楽しそうに語る西川先生。
玄関先では、自作の大きなカエルがお出迎え。
お父様は京焼・清水焼の著名な作家。
幼少期より陶芸に触れられてきた西川先生、幼いころから動物の形のものを作ったり、絵を描いたりするのがお好きだったようで、好きなことをしたい、面白いものを作りたいという思いが強く、父親とは異なった造形の世界を選ばれたと言います。

陶芸家としてのキャリアをスタートされた頃は、「父親と比較されたり、父親のような作品を作りなさいと言われたこともあった」と言い、様々な苦悩や葛藤があったとのこと。
但し、父親やまわりの御弟子さんのご指導のもと、釉薬の配合や製法など多くのことを学べたことが現在の作陶のルーツであることは間違いないと言います。

陶芸家としてのキャリアをスタートされた頃は、「父親と比較されたり、父親のような作品を作りなさいと言われたこともあった」と言い、様々な苦悩や葛藤があったとのこと。
但し、父親やまわりの御弟子さんのご指導のもと、釉薬の配合や製法など多くのことを学べたことが現在の作陶のルーツであることは間違いないと言います。

「好きなことをしたい、面白いものを作りたい。」その意志は強く、造形の世界をメインに作陶活動をされた西川さんの作品は、時代とともに変化をしています。
「お腹がすいた」「遊んでよ」・・何といっているのでしょうか?
動物たちが私達に何かを語りかけているかのような表情。
目が合うと見入ってしまい忘れることができない、その独特の雰囲気や表情は西川作品の真骨頂。
その独特の表情は、「侘び・寂びの世界観」「シュールな世界観」を表現。実物をみることはあまり無いと言い、その理由を尋ねましたところ、「写実的になりすぎず、抽象的に表現することで、様々な創造を膨らませることが出来るから」とのコメント。
先生はイメージやアイデアが湧いたら、まずはラフスケッチを描かれ、作陶へと進められます。
作品の制作中も形状や、紋様、表情、アイデアが広がったら、広がった分だけ作品を作られると言います。
「動物の作品を制作しているときが、一番楽しい。」お言葉通りでしょう。先生の制作の楽しさ・面白さが作品を通じて、私どもにも伝わります。

陶土を手びねりで整えながら、動物の顔や手足などをつなぎ合わせ、バランスを整える。
次にヘラや釘などを巧みに使いながら、スケッチ時にイメージした紋様を彫ります。
この細かな手作業は、新たに誕生する生命に何かを語りかけているかのよう。
その後、彩色・施釉を行い誕生した生命は、唯一無二の動物。形や紋様や配色などは、博物館巡りや彫刻の読み物からひらめくこともあるのだとか。
形や表情、紋様、釉薬、全てにおいてその時代時々で変化をさせて作成しているという西川先生。
おっしゃる通り、10年前の作品と現在の作品、同じ先生の作品であっても、印象が全く異なります。
「これから作成する作品にも、どんどん変化は入れたいし、やはり面白いものを作りたい。」先生が心から制作を楽しまれていることが理解出来ます。
工房でも、普段の制作のことや、窯への思い入れ、釉薬のことなど、細かく丁寧に教えて下さり、心温かい、優しい人柄が十二分に伝わりました。
今回の東五六での二人展に向けて、制作途中の動物たちが、今か今かと誕生を心待ちにしていました。

陶土を手びねりで整えながら、動物の顔や手足などをつなぎ合わせ、バランスを整える。
次にヘラや釘などを巧みに使いながら、スケッチ時にイメージした紋様を彫ります。
この細かな手作業は、新たに誕生する生命に何かを語りかけているかのよう。
その後、彩色・施釉を行い誕生した生命は、唯一無二の動物。形や紋様や配色などは、博物館巡りや彫刻の読み物からひらめくこともあるのだとか。
形や表情、紋様、釉薬、全てにおいてその時代時々で変化をさせて作成しているという西川先生。
おっしゃる通り、10年前の作品と現在の作品、同じ先生の作品であっても、印象が全く異なります。
「これから作成する作品にも、どんどん変化は入れたいし、やはり面白いものを作りたい。」先生が心から制作を楽しまれていることが理解出来ます。
工房でも、普段の制作のことや、窯への思い入れ、釉薬のことなど、細かく丁寧に教えて下さり、心温かい、優しい人柄が十二分に伝わりました。
今回の東五六での二人展に向けて、制作途中の動物たちが、今か今かと誕生を心待ちにしていました。

≪西川勝 陶歴≫

1962 京都生まれ


1987 武蔵野美術大学 工芸工業デザイン学科陶磁専攻卒 日展初入選


1991 日本新工芸展 奨励賞受賞


1994 京展 市長賞受賞


1996 京都美術工芸展 大賞受賞


1999 京都府文化賞 奨励賞受賞

 

2001 日本新工芸展 審査員


2005 日本新工芸展 京都府知事賞


2007 全関西美術展 読売新聞大阪本社賞受賞


2008 京都造形芸術大学 芸術教育教養センター非常勤講師


2009 大阪芸術大学 工芸学科非常勤講師

藤平寧インタビュー

京都府亀岡市、黄金色に光る田園風景を抜け、夏は蛍が有名な犬甘野の山中に工房を構える藤平寧さん。
映画の舞台のような自然に囲まれた静かな環境は、発想力・集中力が必要とされる作陶活動において、最適な環境ではないでしょうか。
「自然との格闘ですね。草木の生命力に圧倒されっぱなしですし、冬は水道管が凍結して水がでないこともあるんですよ。」2000年に清水焼発祥の地、五条から工房を移られた藤平さんは、そのように自然の凄さを語ってくれます。
お父様は、手びねりや陶彫で、器だけでなく陶人形や鳥・馬などを主題にした作品を生み出した藤平伸さん。
落ち着いた色調と土の柔らかみを感じる作品の数々は、素朴でメルヘンなポエムの世界。
独特の世界観を繰り広げました。

藤平寧インタビュー

京都府亀岡市、黄金色に光る田園風景を抜け、夏は蛍が有名な犬甘野の山中に工房を構える藤平寧さん。
映画の舞台のような自然に囲まれた静かな環境は、発想力・集中力が必要とされる作陶活動において、最適な環境ではないでしょうか。
「自然との格闘ですね。草木の生命力に圧倒されっぱなしですし、冬は水道管が凍結して水がでないこともあるんですよ。」2000年に清水焼発祥の地、五条から工房を移られた藤平さんは、そのように自然の凄さを語ってくれます。
お父様は、手びねりや陶彫で、器だけでなく陶人形や鳥・馬などを主題にした作品を生み出した藤平伸さん。
落ち着いた色調と土の柔らかみを感じる作品の数々は、素朴でメルヘンなポエムの世界。
独特の世界観を繰り広げました。

「陶芸家の父親とは、窯の手伝い程度であまり教わったことはない。
意識の中に父親の存在はありましたが、若かったというのもあり反発心が強く、どちらかと言えばわからないことはまわりの人に聞いてましたね。
「あ、釉薬は勝手に使ってましたね。」と笑いながら語る藤平さん。
やはり、お父様の作品の釉薬の色味は、学ぶところ、共感するところがあったと言います。
陶芸の道を歩もう、陶工訓練校卒業後は、轆轤は使わず「手作り感」のある作品を制作したいという想いで手びねりによる作品を制作されています。

「計算通りにいかないのが魅力」。
閃いたときは、いくつも作ってみたり、作成中にアレンジを思いつき、また作ってみたり、気が付いたらいくつものバリエーションが出来上がっていることもあるのだとか。
若い頃は失敗しては、人に聞くの繰り返しだったようで、その積み重ねが現在の作風であり、今後も変化はしていくとのこと。
その独特のやわらかなフォルムと侘び寂びを感じるような釉薬で表現される作品は、藤平さんのお人柄と同様「柔和」な世界だと感じます。

「計算通りにいかないのが魅力」。
閃いたときは、いくつも作ってみたり、作成中にアレンジを思いつき、また作ってみたり、気が付いたらいくつものバリエーションが出来上がっていることもあるのだとか。
若い頃は失敗しては、人に聞くの繰り返しだったようで、その積み重ねが現在の作風であり、今後も変化はしていくとのこと。
その独特のやわらかなフォルムと侘び寂びを感じるような釉薬で表現される作品は、藤平さんのお人柄と同様「柔和」な世界だと感じます。

「斬新さや奇抜さよりも、毎日の食卓で使い続けるうちに、その味わいが日々感じられる作品こそがベストですね。
目新しいものは、その瞬間は良いなと思っても、いつかは飽きがくることもある訳ですし、日々の生活の中で馴染んでくるというか、味がでてくるというか、ずっとその作品を感じてもらえるものを作りたいです。」そう作品への想いを語ってくれた藤平さん。
作品を取ったその手に馴染んでいく心地良さ、柔和な印象の中にも、強いメッセージを感じる金銀彩や釉薬のコントラスト。
現在でも、十分に「日々の味わい」を感じることが出来ますが、今後の藤平さんの作品が、どのように進化し、私たちはどのような味わいを感じることが出来るのか、藤平寧作品を楽しんでいきたいと思います。

≪藤平寧 陶歴≫

1963 京都府に生れる 父は藤平伸


1988 京都府立陶工職業訓練校を修了 日展入選(以後2回)


1989 京展 あかね賞(‘90 市長賞) 日本陶芸展 入選


1990 現代朝日クラフト展入選(以後4回)

 

1991 陶芸ビエンナーレ 奨励賞 全関西美術展 佳作(’92 同賞)


1992 京都工芸ビエンナーレ 入選 朝日陶芸展 入選


1993 全関西美術展 関西賞第二席


2008 パラミタ陶芸大賞展 出品

今展では、両氏とも30点ほどの展示を予定しております。
東山一帯も紅葉の見頃となりますので、是非ご来店いただき、ご堪能いただければ幸いです。